わんこ
わんこ
トランスジェンダーの方って過剰に反応する人が割と多い気がします。それだと会話もしづらくなります。
ずしょー
ずしょー
全員がそうとは言いませんが、その傾向は大いにあると思います。僕はそれを“呪い”と呼んでます。

ちょっと誤解を生みそうですが、僕の経験上、トランスジェンダーの方が性別や固定概念に囚われている人が多いと感じています。もちろん僕もその1人ではあります。
ここではそれを“呪い”として使っていきます。

「男とはこうだ」「女とはこうだ」だけでなく、なんと「トランスジェンダーとはこうだ」とまで自分で勝手に作り上げた概念に縛られ、苦しくなってしまう。(そして時としてそれを周りにまで強要してしまう)

ずしょー
ずしょー
その結果、治療至上主義のトランスジェンダーが生まれてしまったり、当事者以外を仲間外れにしたり、当事者同士で仲間外れをし始めたり…人間は本当に愚かですね。

ちょっと話がそれましたが、僕はその“呪い”に長いことかかっていました。
そしてそれによってとても卑屈な人間になっていました。

まだ何の治療もせず、周りにはトランスジェンダーだとカミングアウトして生きていた学生の頃、「男子は放課後〇〇に集合」と言われても絶対に参加しませんでした。
今なら確実に参加しますが、当時は「僕が行くと帰れと言われるだろう」と卑屈に考えていたからです。
その学校は、学校全体としてとても配慮してくれていたのでそんなこと言う人はいなかったと今なら思えますが、当時はとてもそんな考えにはなれませんでした。

その他にも、こんな考えや発言をするのは「やっぱり女性だ」と思われてしまわないか、ありのままの発言が「男ぶろうとしてる」と思われているのではないか、と裏の裏の裏のさらにその裏の…と、キリがないほど考え、時に動けなくなってしまったりもしました。
特に男性には劣等感のようなものを感じてもいました。

そして、人と関わるのが嫌になったりもしました。

そんな僕がその“呪い”を解呪できたのは、それでも人と関わってきたからだと今になって実感しています。
僕が“呪い”に気づき、解いていくキッカケとなった経験をいくつかご紹介します。

まだ10代だった頃、バイト先で先輩に「俺は心の中に18歳のJKとおばちゃんを飼ってる」と言われました。
おそらく100%の男性など存在せず、皆の心の性別もグラデーションのように色んな割合で存在しているという事に通じる話だと僕は理解しました。
そしてそんな男性が存在するのかと衝撃を受けました。(当時は社会にも出ていないひよっこでしたし、LGBTQなんて言葉は存在していませんでした)
今ならそんな人周りにも沢山いたやん!ってツッコんでしまいますが、当時は視野が狭くそんな事にも気づけていなかったので、その人が良いキッカケになってくれました。

僕が失恋してグジグジしている時、友達のお母さんに「男ってホント女々しいわ!」って吐き捨てるように言われ(笑)、「こんな風に思っても男として見てくれるんだ」と衝撃を受けました。
言い方もすごく自然で、思ったことをちゃんと口にする(変に良いことを言おうとしない)信頼できる方なのですんなり受け止めるとこができました。

そして僕の中にあった「爪が綺麗な人は女性」という謎の偏見も「爪の綺麗な男子高校生」と出会って打ち砕かれました。(僕は昭和生まれなので若い頃は世間の目が厳しく、今ほど男性がオシャレできていなかったんです)
それだけではなく、胸毛が生えているのに何故かおっぱいもちょっとある(太っているわけでもない)男性と出会ったり、「男ってこうだよね」っていう話に「人によるだろ」とツッコむ家族に衝撃を受けたりし続け、「世の中には色んな人がいる」というのを(頭だけでなく)心から理解することができました。

挙げればキリがないのですが、それらの事により「世の中には色んな人がいる」=「男も女もその他にも色んな人がいる」=「トランスジェンダーだって色んな人がいる」と芋づる式に理解していきました。

ここで一番大事だと思うのは、頭での理解だけでなく、経験を通した心からの理解です。

本当に色んな人がいる、どんな僕でも男として見てくれる人がいる、それを経験するからこそ“呪いに呪われている自分”に強烈な一撃を与えることができます。

頭では分かっているけど納得はできない。

そういうのって割とよくありませんか?
納得は経験を通して得られるものなんだと僕は思います。
自分では答えに辿り着けなくても、周りと関わる事によって答えを見つけることができる。
そしてそれが答えだと分かるのは自分しかいない。
だからこそ自分で考え、行動し、また考えるんです。

そして自分がそういう経験をしたからこそ、そういう経験がない人も理解できるんです。
だからこそ僕は誰にも求めなくなりました。
それがお互いに楽な関係でいられる事に繋がってます。

“トランスジェンダーの呪い”は、自分で自分を縛ってしまうことから始まると僕は思います。
人と関わる事により衝撃をくらわせてもらいまくって、視野の狭い自分を広げてもらうことで“呪い”を解き、自分も自分らしく、相手も相手らしく、お互い尊重できるようになっていけると僕は実感しています。

あなたにとっての“呪い”は何ですか? そして、それを解く方法は何だと思いますか?

おこがましくてすみません。

ABOUT ME
ずしょー
国内で性転換手術を受けたけど基本的にオープンに生きてます。当事者の代弁者でも代表でもなく"一サンプル"として発信してます。