僕は、手術をして自分の望む性の戸籍も手に入れて生きているトランスジェンダーなのですが、あえてオープンに生きてます。
そうするとカミングアウト推進派のように捉えられてしまうこともありますが、「ご自分のことはご自分で」という意見なので他の当事者に対しては何とも思ってません。
ですが、以前友人がカミングアウトについて悩んでいたのでその時思ったことを書いてみようと思います。
その人は戸籍も手に入れて、男性として結婚して家庭も持っています。
職場でもトランスジェンダーではなく男性として働いています。
とても良い人間関係で楽しい職場だけど、仲良くなればなるほど「本当はトランスジェンダーであることを隠し続けている」ということが心に重くのしかかってくるというのです。
それを聞いて僕はとても疑問に感じました。
僕は僕の事を男だと思っています。
「乙女だな」とか「女々しいな」と思ったりする事はありますが、自分の事を女だと思った事はありません。
以前は戸籍が女だったので、戸籍上女だと思った事はあります。
でも、自分自身を女だと思ったことがないんです。
同じように、自分自身をトランスジェンダーとは思ってません。
僕は僕の事を男だと思っています。
ここがトランスジェンダー特有のものかなと思います(もちろん全員がそうだとは思いません)
僕はトランスジェンダーとして生きたいわけではなく、男として生きているんです。
だから周囲にもトランスジェンダーと認識されたいのではなく、男として認識されたいんです。
しかしカミングアウトをすれば、たとえ相手が僕の事を男性だと受け入れてくれたとしても、多かれ少なかれトランスジェンダーとして認識されてしまうのです。
これはカミングアウトでは避けれないものです。
相手もカミングアウト前は男性として見れたのに、僕がカミングアウトしたことによって男性として見れなくなってしまうことも多々あります。
それは時にお互いに良いとは言えない状況にもなり得ます。
カミングアウトをしなければ自分も相手も楽に過ごせるのです。
(まあ、それでも僕はオープンにして生きているのですが、その話はまた別の話になってしまうのでここでは割愛します)
だから僕はこの人の状況ではカミングアウトの必要性を全く感じませんでした。
むしろデメリットの方が多いのでは?くらいの感想です。
なのでこの人が「本当はトランスジェンダーであることを隠し続けている」とは思わないのです。
本当は男なので男として生きているだけ。
隠してもないし話す必要性もないのでカミングアウトしていない
これが僕がこの人の状況だったら出す答えです。
カミングアウトなんて不要です。
だからといって僕の言う通りにしろとは全く思いません。
その人の状況や思いってシンプルなものでもないし、僕に伝わってないことも多くあるでしょう。
僕の意見はあくまで僕のものであり、相手には相手の意見があります。
ですので僕は相手の話を聞いて自分の意見を伝えるだけです。
相手の事は相手が決めるものであり、僕はそれを尊重して応援するだけです。
ただ、せっかく相手からもらった考える機会を残しておきたいので記しておきます。
カミングアウトって状況によって必要性が変わるものなので今回は「このケースに関しては」という僕の意見でした。
正解のない問題は定期的に考えることで新たな発見があったりもします。
今後も考えることがあればまた書いていきたいと思います。